山陰海岸ジオパーク野外学習ハンドブック(鳥取砂丘を中心にして)

砂丘で楽しく学ぶいくつかの実習

位置

天然記念物鳥取砂丘全域およびその周辺

ねらい

鳥取砂丘には、多くの学校が遠足や宿泊研修等で訪れている。これらの活動を、より充実させ、鳥取砂丘の特徴やすばらしさを子どもたちに伝えたい。そして、自然の見方を学ぶとともに、ふるさとの自然を守る態度を育てたい。


図1 天然記念物鳥取砂丘と
その周辺

実習Ⅰ 砂丘地内の杭を活用したオリエンテーリング

①実習者の対象
  小学校4年生以上

②実習の概要
  鳥取砂丘には、砂の移動を調査するために100m間隔で杭が設けられている。この杭には、アルファベットと数字で地番が記されており、鳥取砂丘探検マップを利用すれば、これを目印に砂丘地内での位置を確認することができる。
実習では、砂丘地内の主な地形・地質、植物群落などのビューポイント近くにある杭を目印にして、砂丘地内を巡らせ、それぞれのポイントを観察していくものである。鳥取砂丘探検マップは、次のURLよりダウンロードができる。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=120053


図2 鳥取砂丘探検マップ(鳥取砂丘再生会議より)

③実習例

図3 砂丘地内の杭 図4 追後スリバチ 図5 火山灰露出地 図6 オアシス

実習Ⅱ 鳥取砂丘の植物分布マップづくり

①実習者の対象
  小学生以上

②実習の概要
  鳥取砂丘地内には、草本類として単子葉植物6種類、双子葉植物8種類、木本植物が2種類の16種類の砂丘植物が生育している。実習では、グループごとに調査エリアを決めて、エリア内に生育している砂丘植物の種類と生育場所等を記録していく。あるいは、植物を限定し、その生育場所を記録していく。

③実習例

砂丘植物の一例
図7 コウボウムギ 図8 コウボウシバ 図9 ハマニガナ 図10 ハマボウフウ

その他

その他の実習例として、「動物の足跡調べ」、「砂粒の調査」、「砂丘地内の風向・風力調べ」等が考えられる。実習の際には、砂丘地内の動植物や砂の採取はできないことを確認したい。また、砂丘地内を行動する場合は、必ず熱中症対策が必要である。気温が高い場合は、実習中止も検討すべきである。

(安藤和也;2010.9.22)