多文化共生を推進する地域づくりをめざして

「外国人“非”集住地域」ならではの困難を外国人住民と日本人住民がともに考え、鳥取型「多文化共生」の地域を構想する。

活動・事業の内容紹介

鳥取県は人口比あたりの在住外国人人口が全国でも最も少ない県のひとつであり、外国人住民を巡る課題は少ないように思われている。しかしここでも外国にルーツをもつ住民の数は確実に増え続けており、現実的に鳥取県には「国際化」や「多文化共生」をめぐる課題が山積している。

いままで前例のない様々な課題に対してその関係者たちは試行錯誤を続けている状況である。むしろ、外国人が集住する都市ではその経験が蓄積されているのに対し、そのような蓄積が少ない鳥取では、「外国人“非”集住地域」ならではの独自の困難があるとすら言える。

本事業は、まず鳥取県における多文化状況についての基礎調査を実施した。関係者とその調査によって得られた情報の共有ミーティングを繰り返し、本県における課題を抽出してきた。

そして今年度の成果を共有しあう場として、2013年1月27日(日)には鳥取市国際交流プラザ(鳥取市湖山町西)においてフォーラム「多文化共生社会一歩前」を開催した。その概要と目的は次のとおりである。

「多文化共生社会」ということばをよく聞くようになりました。

おおくのイベントがひらかれ、外国にルーツをもつ方々との相互理解がめざされるようになりました。

そのような場に登場されるおおくの外国の方々はある程度日本のくらしにも慣れ、日本語もじょうずに話されるように思います。 このフォーラムは「多文化共生社会」の一歩前の準備運動として、日ごろあまりお話する機会がない、まだそれほど日本になじまれておらず日本語も得意ではない方々のお話をざっくばらんにうかがいたいと思います。必要に応じて通訳の方に助けていただきながらみなさんの<声>に耳を傾けて、ここ鳥取でのご経験を共有してみたいのです。

通訳をとおしての対話は時間がかかり、じっと待たなければなりません。誤解も生じるかもしれません。あえてそのような“ノイズ”を共有することも大切ではないでしょうか。 外国にルーツをもち、鳥取東部にお住まいの方3名と通訳の方がお話しされる予定です。

フォーラム「多文化共生社会一歩前」チラシより引用

このフォーラムではインドネシア、フィリピン、台湾出身の地域住民の方々がそれぞれの来日後の経験を話され、多国籍の住民からなる参加者とともにこれからの地域社会をつくっていくためのヒントについて議論した。その結果は報告書としてまとめて刊行する予定である。

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