学部長あいさつ

地域学部長 研究科長 藤井 正

 東京は世界都市として発展を続け、地方は衰退している。こうしたイメージを漠然と持っている人はまだ多いでしょう。人口減少とともに多くの地方が消滅するという報告があり、これが最近の地方創生の動きにつながりました。一方、地方志向の若者は増えており、がんばっている地域は消滅しないという強い反論もあります。でもグローバル経済の成長が、すべてを解決するとまだ考えている人も多いようです。これに対し、今後の社会や暮らしを考える時、それだけではまずいのではないか、限界が来るとも考えられています。地球環境問題という限界もそのひとつです。そこで、新たな価値観やライフスタイルが展開しつつあります。グローバル経済とは異なる経済や社会のシステムもまた、今後、とても大事であるという考え方です。その基礎になるのが地域で考える視点なのです。

 

地域学部は、2004年度に、地域の未来を切り開く地域のキーパーソンを養成することを目的に創設された学部です。「地域」とは人々が生活している空間の広がりと、そこでの社会関係を示す言葉です。地域は自然環境や人間活動の様々な要素で構成され、それが地域の個性をつくっています。そして世界は、規模や性質の異なるさまざまな地域が重なり合って形成されており、人間が解決を迫られている多くの課題は、この地域をベースとして考えることができます。そのために既存の学問体系を再編成したのが「地域学」です。

 

2017年度から地域学部は、人文社会科学系の地域学科1学科となり、地域創造、人間形成、国際地域文化の3コースを設け、地域課題にさらに学際的に融合してアプローチします。この改組にともない、自然環境や自然科学的アプロ-チについては全学的にカバーすることになります。新しい地域学部ではこれまでの実績を踏まえつつ、政策・経済・コミュニティ、そして芸術文化などに関するさまざまな地域づくり、生涯発達と地域教育、そして国際的な地域間の比較や関係についても教育研究を一層展開し実践力ある人材を育成します。

 

日本で一番人口が少ない鳥取県ですが、現代日本の課題を踏まえ、今後の社会のあり方を考える場所としては先進地域なのです。東京で見えないライフスタイルや価値観の新しい展望を、ぜひ鳥取で見つけてください。

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