無駄安留記隊

多鯰ヶ池



但馬往来の場であった多鯰ヶ池。

『無駄安留記』には弁天島・柿島の記述があるが、弁天さんが奉られている弁天島は現在埋め立てられて陸つながりとなっているため、島としての形態はとっていない。

また、この池には蛇にまつわる伝説がいくつか伝えられているが、柿島の名前の由来を池に伝わる伝説の一つに見ることができる。

昔法美郡のある長者の家に雇われていた下女お種は、冬に人が食べ物を欲しがると、どこかから柿の実を持ち帰ってきた。不思議に思った若い衆がお種の後をつけると、お種が蛇に化身し、池の小島にある柿の木によじ登るのを見てしまった。真の姿を知られてしまったお種は二度と長者の家に帰ることはなく、そのまま池の主になってしまった。

というものである。柿島はお種が柿をもぎ取っていた柿の木があったため、そう呼称されているようだ。