おととからだであそぼう
〜即興音楽とダンスのワークショップ
わらべ館 即興音楽とダンスのワークショップまとめ
2021.02.26
コロナウィルス対策ということで様々な制限がある中、対面型で(回数は減ったものの)開催を維持できたことは良かったです。感染者が少ない鳥取という場所ゆえでもありますが、わらべ館、ファシリテーター、受講者たちの対応力によるものだと思います。これまでは外部講師の方法を学ぶという形態でしたが、今年度は地元で活動するアーティストたちが、co-fascilitate(ファシリテートを協働する形)を編み出し、主体的にアイデアを出していくようになりました。今年度は特に舞台照明なども含めた環境設定にも意識を向け、作品作りへの可能性を広げることにつながったと感じています。文化庁事業としては終了するものの、今後も継続的に子どもたちとからだで遊ぶ場所として継続させていきたいと考えています。
県内で活動するアーティストたちが学校、公共施設などで活躍するようになるにはシステムから構築していかねばなりません。今後の課題であり、マネジメントとしていかに継続・持続できる形にしていくか考えていかねばと思っています。
最後になりますが、この3年間協力してくれた鳥取アーティストたちの声をご紹介したいと思います。アーティストの皆さん、そしてわらべ館の皆さんありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
きのさいこ
ファシリテーターの声
荻野ちよ(ダンサー)
去年の1月、金子泰子さんと「おめでとう」をテーマに旧正月を祝ったWSから早くも1年。あの時のちょっと浮かれた感覚はすでに過去のものとなりにけり。広場で手洗いから始めたり、距離に配慮したり。割り算に「余り」が出る算数の授業をうまく受け入れられなかった、あの感覚が蘇ります。一方、不思議なことにこの消化不良への「抗体」もまた、このWSから生まれたりもしました。
コロナ禍の中でも、言語を持たない音やダンスをたよって身体や感覚をひらきに来られていた方もいたと思います。私もその一人でした。中断があったものの、何度か開催していただいたことに感謝いたします。
田中悦子(ダンサー)
今年は、2月連続同じテーマで活動する機会があって良かった。というのは、1回目における課題の解決・さらなる発展方法を検討し、すぐ翌月にまだ前回の感覚が残る身体で2回目を迎えることで、より深みのある活動ができていたと感じるからだ。
また、ゲストの存在もありがたい。今年は新井さんに来ていただいた回で終わってしまったが、ゲストと活動した次の回は、そこでの課題や学んだことを踏まえた回とするというように、状況が許せば、2回をセットと考えるやりかたもよいかもしれない。
この講座を通して改めて感じたのは、親もいっしょに楽しく過ごす時、子どもも心から楽しめる。今後も、そんな「楽しい」を増やす手助けをすることができたらとてもうれしい。
森本みち子(音楽家)
このワークショップは即興がキーワードだったのですが、参加者の多くが活動の内容を純粋に楽しめる内容でした。なので、活動中は大人も子どもも参加者の多くが笑顔と真剣な顔の両方を見せていました。普段の生活ではなかなか体験できない自由に自分の思うまま表現する「即興」ですが、参加しやすい“あそび“の中に、真似て身体を動かすこと、相手に伝えるための音を出すこと、を通して自然に即興出来ていたと思います。日々の営みの中にある感覚を自由に表に出せるこんな場をこれからも鳥取の皆さんと共に楽しみたいです。
高橋智美(音楽家、わらべ館職員)
今年度は新型コロナウイルス対策のため、これまでと違ったやり方に、とまどいや不安を感じていたが、得るものも多かった。
換気が悪いホールから、隣接する芝生広場に会場を移して開催した回では、開放感のある草の上を、休むことなく遊び続けるこどもたちのエネルギーに圧倒された。また、鳥取の講師陣と大学生による、ホールの設備の特徴を活かした大胆なプログラムも生まれた。ぜひ今後も継続して開催したい。