プログラムPROGRAM

10: アート系ワークショップの学校教育への導入と分析

開催レポート

10: アート系ワークショップの学校教育への導入と分析 / 開催レポート

2020.03.27

テキスト:竹内潔

アート系ワークショップを学校教育に 第1回 2019年9月26日[木]

全2回の講座の第1回目として、鳥取大学コミュニティデザインラボ(CDL)を会場に、青山学院大学教授の苅宿俊文を講師として招き、主に以下の内容についてのレクチャーを実施した。簡単なワークショップを交えつつ、第2回の実践的な講座につながる社会的・理論的な背景を学んだ。
①新しい学習指導要領の考え方を知る
②非認知的能力について知る
③SES(家庭あるいは学校の社会経済的背景)という指標から見たアート系WSの可能性を知る
④アート系ワークショップの可能性を事例を通して知る

 

アート系ワークショップをどのように分析するか 第2回 2019年12月17日[火]

第1回でも招いた苅宿氏を講師とし、新たに鳥の劇場の皆さんの協力を得て、鳥取大学アートプラザを会場に、少人数で実践的な内容の講座を行った。
「評価」は、アートマネジメントに関わる人にとっても、アート系ワークショップを学校教育で展開する上で避けては通れない課題になっている。鳥の劇場は、鳥取市立鹿野学園をはじめ、多くの学校現場で演劇ワークショップを展開しているが、本講座では、苅宿氏と鳥の劇場が協力して取り組んでいる、映像を用いた省察活動(振り返りの活動)による先進的な評価方法を専用の映像アプリを利用しながら体験した。

 

事業の成果

講師として招いた苅宿俊文氏は、アートには「するアート=表現」「みるアート=鑑賞」の他に「つかうアート=多様」があると言う。社会生活において必要な「自他理解」「仲間づくり」「コミュニケーション」を「学習」するため手段として、演劇・ダンス・メディア表現などの「芸術表現」すなわち「アート」が有用ということだ。また、苅宿氏は「多様」という言葉には「もともとアートが持っている可能性やわかりづらさ、うさんくささなど『ごった煮』のイメージがある」「『ごった煮』には雑草に似た「力強さやエネルギー」の源泉だ、という意味が込められている」とも言う。今回は、学習指導要領の改訂によって可能性を広げようとしている「学校教育」の中に「つかうアート=多様」を導入していく際に必要な視点を学ぶ講座となった。
具体的には、2回の講座の第1回目で苅宿氏によるレクチャーを受け、第2回目には、現在、鳥取市立鹿野学園義務教育学校での実践を行う鳥の劇場による模擬的な演劇ワークショップを体験しつつ、それを専用のアプリケーションを使って撮影し、振り返り(省察活動)を行いながら、教育的にその映像をいかに分析するかについて学んだ。以上を通じ、学校現場で必要とされる「児童生徒の資質能力の発見定着」の新たな方法を理論的かつ実践的に学ぶことができる講座となった。

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