スペース・プランは、谷口俊(1929-)、フナイタケヒコ(1942-)、山田健朗(1941-)らによって鳥取で結成された前衛芸術家集団です。1968年11月の檄文から始まる彼らの活動は、単純な色と形に還元された立体物に代表されるミニマリズムに特徴づけられます。彼らは、市民会館や画廊で発表する一方で、湖山池青島や仁風閣前庭など、鳥取市各地で野外展を積極的に試みました。特に第2回展では、鳥取砂丘を舞台にミニマリズムの作品が配置された壮大なスケールの展示を実現しました。当時の地元メディア等では注目を集めていたものの、その活動は鳥取に限定されていたこともあり、全国的に広く紹介されることはありませんでした。 本展は、スペース・プランの記録写真や印刷物、記録映像などを中心に展示し、その実験的な試みの全貌を知るはじめての機会となります。ミニマリズムという言わば現代美術のひとつの出発点として生まれた形式が、1960年代後半に鳥取という日本のローカルな地域でどのように展開されたのか。1960〜70年代の鳥取の文化状況を踏まえるとともに、若者の叛乱の季節、具体美術協会による野外展、宇部や須磨の野外彫刻展、福嶋敬恭と京都北白川美術村、ミニマリズムからポストミニマリズム等といった歴史的文脈のなかで、その活動を検証していきます。
左/SPACE PLAN第1回展展示風景、鳥取市民会館、1969年1月右/「会話'70」展展示風景、テルミー画廊、1970年5月
スペース・プラン記録展− 鳥取の前衛芸術家集団1968-1977 − 会期|2018年12月7日(金)- 2018年12月19日(水) 会場|ギャラリー鳥たちのいえ(鳥取市本町1丁目201 ミュトスビル) 時間|11:00-19:00(最終日17:00まで) 主催|鳥取大学地域学部附属芸術文化センター 共催|スペース・プラン 助成|平成30年度文化庁文化推進事業、公益財団法人野村財団、鳥取大学学長経費事業 入場無料
会期中に関連イベントとしてメンバーによる座談会や、ゲストによる日本の前衛芸術についてのトーク等を予定しています。
筒井宏樹(本展企画者、鳥取大学准教授)
tsutsuihiroki115@gmail.comギャラリー鳥たちのいえ鳥取市本町1丁目201 ミュトスビル